
年末の賞金王決定戦に、その年に稼いだ全額を突っ込むという坂上忍や、生涯、競艇で6億、競馬を入れると12~13億は負けているというアナウンサーの徳光和夫など、ギャンブル好きの芸能人は何人がいるが、今日はその中でも知名度の低い「琴富士」のことを書いてみよう。
琴富士は1980年に初土俵を踏んだ相撲取りで、最高位は西の関脇であるが、1991年に14勝1敗の成績で平幕優勝を遂げた際には、小錦、霧島、そして千秋楽には曙に勝っており、(ちなみに1敗は、のちに横綱貴乃花となる貴花田)大関になっていてもおかしくない実力者であった。
引退後はタレントとして活躍し、お茶の間を賑わせていたが、その人気に陰りが出た頃に、16代大嶽(貴闘力)から声を掛けられ共に暮らすようになり、その後16代大嶽が出店する焼肉屋で働くなどしていた。
この16代大嶽(貴闘力)が、知る人ぞ知る角界のギャンブル魔で、実際は相撲取りのギャンブル好きといえば、こちらを思い出す人の方が多いだろう。
その薫陶?を受けたわけではないだろうが、角界にいた頃のように順調でないことから生活は荒れ、妻とは離婚して子供とも離れたこともあってか、琴富士は知人からの誘いにより競馬にのめり込み、ギャンブル依存症となる。
負けた分の借金を返すためか、ギャンブルをするためなのか、琴富士は報酬(130万の報酬を受けたという)を受ける約束で、偽装結婚の片棒を担ぎ、公正証書原本不実記載・同行使の罪で逮捕され、懲役1年6ヶ月、執行猶予3年(求刑懲役1年6ヶ月)の判決を言い渡されてしまう。
そして現在、Youtuberとして活躍するなどした後、元から持っていた持病(糖尿病・痛風・高血圧)を放置していたこともあり、心臓の冠動脈は詰まり、脳梗塞も経験し、遂には誤嚥性肺炎により生死を彷徨い、何とか一命は取り留めたものの寝たきりとなり、右半身には麻痺が残っている。また、糖尿病による壊疽のため、右足親指は切除されている。
ギャンブルさえやっていなければ、もっと穏やかな人生が遅れていたかもしれない。
暗くなって終わるのもなんなので、最後に琴富士の楽しいエピソードを少し。(Wikipediaから)
・ 入門前、12代佐渡ヶ嶽からの小遣いでクイーンのLPレコードを買った。(どこに焦点があるのかよく分からないエピソード)
・ 偽装結婚の容疑で逮捕された際の話、【警察の取り調べで琴富士は「本当に好き同士で結婚した」と容疑を否認していたが、これに対し取調官は、20人の女性の写真の中から「あなたの奥さんを指差してください」と迫り、その答えを間違えてしまったことで自白せざるを得なかった。】