Youtubeか、そのショート動画か忘れたが、「今、アマプラで無料で観れるおススメ映画」のなかに入っていた「トランス・ワールド」。原題は「Enter Nowhere」(どこへも行けない)というSF・スリラー(スリラー感はあまりないけど)映画である。
監督も出演者も誰も知らないが、調べてみると主演のスコット・イーストウッドはクリント・イーストウッドの息子で、この映画が初主演作とのことだった。観てる時には思いもつかなかったが、言われてみればよく似てる。
私もそうだったのだが、これは予備知識なしで観てほしい。最近観たなかでは出色の出来だった。採点するとすれば88点。89分と短いことも考慮すると、忙しい貴方にとっては95点くらいあるかも。
以下、内容に触れるので観ていない方は注意してください。
タイムループものというか、それに近いような状況で、悪い未来を良い未来に変えるという話だが、見せ方がうまい。どこからか飛ばされた三人が森の中の小屋を抜けだそうとするが、どうしても元の小屋に戻ってしまう。
この場所からどうやって抜け出すか、このループをどうやって抜け出すかという話だが、そもそも3人は別の場所からここに来たという事がまず分かる。その謎も解けないうちに「違う時代」から飛ばされたということも分かる。
このあたりの謎が発生するタイミングや、謎の程度がちょうどいい。最近は「何故?」が多すぎたり難解すぎて頭がついていかずに、感情移入が置いてけぼりになることが多い。
例えはアレだが、ジョジョの第3部~5部あたりまでは、どうやって勝ったかがハッキリ分かり、スカッとするのだが、第6部以降は能力を理解できないまま勝ってしまうので、よく分からないしスカッとしない。
ただ、リングにかけろまで抽象化してしまうとスカッとはするが、「なるほど!」とか「その手があったか!」という気持ちよさがない(ただ、リングにかけろは私も大好きだし、あの手法は大発明に間違いない。)ので、難しいところだ。
加減で言うと、スタンドを出したまま寝るという方法で勝ったデス13とのバトルや、剣でも切れない銃でも撃てない霧のスタンド、エンヤ婆の無敵と思われたスタンド「ジャスティス」を吸い込んでやっつける、これくらいがいい。
それでいうと、「トランス・ワールド」の謎の塩梅(あんばい)はちょうどいい。そして、謎が少し溶けた頃に出てくる4人目の男の出てくるタイミングも良く、そこでこの4人目が実は3人の祖先でありこいつを助ければ、みんな幸せになるということが分かるあたりもいい。
最後はきっちりとハッピーエンド。私はバッドエンドの映画だけは勘弁。誰が貴重な(金と)時間を使って嫌な思いをせなアカンねん。と思う。あと、最後のシーンだが、化粧でこれほど変わるのかというもビックリ。アバズレの強盗殺人犯がセレブに豹変。
そして、ラストに最初の場面に戻って次のループというのを想像させるのもいい。
採点はやはり総合で90点としよう。是非観てほしい。
