
日本を代表する人気漫画と言えば、古くは「あしたのジョー」「ドカベン」だったり、最近では「スラムダンク」という大ヒット漫画もそうだが、「スポーツもの」はいつの時代も受け入れられるジャンルのひとつである。
そして、今の流行りが何かと言えば、「東京卍リベンジャーズ」などの「タイムリープもの」だろう。しかし、この二つを組み合わせた漫画というのはあまり見かけない。このビジネスチャンスを逃してはいけない。
王道の「スポーツもの」と流行りの「タイムリープもの」を組み合わせるのだから、売れるに決まっている。最高の出汁に最高の醤油。それだけで極上のお吸い物ができるといった具合だ。ちなみに、子供のころ、どっちも大好きだったスプライトとコーヒー牛乳を混ぜて飲んだら美味しかろうとやってみたら、それは普通に激マズだった。
例えば、ゴルフ。いい球が飛ぶまでタイムリープして何度でもやり直せばいい。これなら相当良いスコアで回れるだろう。しかし、全くの素人なら何年かかるか分からない。そんな時はたまにはズルするのもいいだろう。
そう、未来へ行って自分のボールをカップインさせておけばいい。怪しいとかバレそうになったら過去に戻ってやり直せばいい。そんな過去と未来で打ち直したりズルしたりして、世界の頂点を目指す。フィナーレとなるマスターズでは感動の嵐が吹くことだろう。
ただし、ゴルフなどでは「あんなに下手だし、体つきもへにゃへにゃなのに、何故あいつはあんなに強いのだ」と不審に思われる可能性がある。ならば、マラソンはどうだろう。マラソン選手の見た目はいたって普通だし。それで、100m走っては時間を止めて休憩し、体力が回復したらまた時間を動かして走るというのを繰り返せば、あっというまに世界記録誕生だ。この方法は見た目にもばれにくいだろう。
いや、やっぱりこんな漫画では、「ずるい」のが先にたってしまい感動できないといわれるかもしれない。しかし、ウサイン・ボルトだってずるい。彼が身長160cmしかなかったら、あれほど早く走ることができただろうか。あれはずるくないのか?
せめて、同じ身長のカテゴリで競争すべきで、あれだけでかくて速いのはズルいと思う。努力すれば才能は伸びるというのは分かるが、限度がある。ボルトが少し頑張るだけで100m10秒切るのに対し、私はいくら努力しても10秒切ることはあり得ない。それこそ時を止めて10年、100年、1000年私が特訓をしてもボルトに勝てる訳が無い。
そうなのだ、力の質と強さに違いはあれ、時間を操る能力も、身体的に恵まれていることも、どっちも生まれつきの才能のひとつであり、一方は認めるが一方はずるいというのはあまりに不公平だ。
そんな戯言はおいといて、実は「SECOND BREAK!!」というバスケものでタイムリープする漫画があるらしい。内容は、怪我でバスケができなくなった選手が、その9年後、タイムリープして怪我をする前に戻るというもの。
そして、その9年間の知識を武器にして、戻った過去から始めて世界を目指すというものらしい。ズルはしないようだ。しかし、最新のレビューで「打ち切り? 色々説明不足に描写不足で終わったような気がします。2回目のタイムリープをするまでは面白かったですが、伏線投げたようにしか見えなかった。」とあるから、前途多難のようだが、どうなのだろう。
スラムダンクの最後の最後、漫画では「左手はそえるだけ」で桜木はゴールするが、これがなんと外れる。しかし、この時桜木の能力「タイムリバウンド」が覚醒し、シュートする前まで時間が巻き戻る。そして、再度打ったシュートは見事ゴールし、湘北は山王に勝利する。
うん、こりゃダメだ。やっぱりズルい気がして感動できないや。う~ん、誰か面白いスポーツ・タイムリープもの描いてくれませんかねぇ。